皮ふ科とは
皮膚は、肌とも呼ばれるもので、人体は皮膚に覆われており、臓器の一種でもあります。つまり、心臓、肺、肝臓、胃と同様で、人体では最大の臓器になるわけです。
この皮膚というのは、身体を保護する作用があるほか、体温調節や、痛みや触った感触などを脳に伝える役割も兼ねるほか、皮脂や汗を体外へ排泄するなど様々な役割があるのですが、外部から様々な刺激を受けやすい臓器でもあるので、何かと症状が出やすい部位でもあります。
したがって、肌に炎症や潰瘍、ブツブツができた、かゆみがあるといった症状や外傷などがよくみられるわけですが、これらの皮膚トラブルを診療するのが皮ふ科となります。 なお、爪や髪につきましても皮膚の一部でありますので、当診療科での対応となります。
当診療科で対応する主な症状や皮膚疾患
湿疹、かぶれ(接触皮膚炎)、虫刺され、じんましん、乾癬、にきび、アトピー性皮膚炎、にきび、水虫、とびひ、いぼ、たこ・うおのめ、やけど、しもやけ、日焼け、脱毛症(円形脱毛症 等)、巻き爪、粉瘤(アテローム)、乾燥肌(ドライスキン) など
診療について
皮膚は全身の健康状態を映す鏡ともいわれ、内臓の病気の一症状として皮膚トラブルに見舞われることもあります。そのため診断をつける際は、皮膚の状態をしっかり観察し、必要であれば拡大鏡を使うなどしていき、あらゆる可能性を考慮しながら診察を行っていきます。
原因を特定させるのに必要と医師が判断すれば、採血による検査(アレルギー検査含む)、真菌(カビ)の培養(感染部位の一部組織を採取)、皮膚生検(病変がある皮膚の一部分を採取し、顕微鏡で詳細を調べる)などの検査をするなどして、総合的に判断していきます。
その結果、原因が皮膚の病気によるものであると特定すれば、それに対する治療が行われます。主に外用薬(ステロイド、抗菌薬 等)や保湿剤、内服薬による薬物療法が中心となりますが、病状によっては光線療法や外科的治療が検討されることもあります。
検査について
アレルゲンパッチテスト、アレルギー検査(血液)
皮ふ科でよく見受けられる疾患
湿疹
皮膚が炎症を起こしてしまうことで、かゆみのほか、紅斑やブツブツ、水疱、膿疱などの皮膚症状がみられる状態を総称して湿疹といいます。 なおかゆみなどに耐えきれず、爪を立てるなどしてかき壊すと、症状(びらん 等)は悪化していきます。
発症の原因は、ひとつとは限りません。主に外的要因と内的要因が組み合わされるなどして発症するといわれています。 前者の要因としては、洗剤等の化学物質、ハウスダスト、植物、金属、カビなどの微生物があります。また後者の要因には、アトピー素因(アレルギー疾患に関する既往歴や家族歴がある、もしくはアレルギー体質である 等)、皮膚バリア機能の低下(加齢、生活習慣の乱れ、摩擦や紫外線等による外部からの刺激 など)といったものがあります。
なお湿疹(皮膚炎)の原因が特定されている場合は、かぶれ(接触皮膚炎)、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹などの診断名がつけられます。
治療について
原因が特定されている場合は、その皮膚疾患に対する治療を行います。 例えば、かぶれ(接触皮膚炎)であれば、湿疹を引き起こす原因物質の除去、あるいは避けられる環境を整えたうえで、皮膚症状の治療(ステロイド系外用薬の使用、かゆみが強ければ抗ヒスタミン薬の内服)を行っていきます。
ただ原因がはっきりしていなくても、皮膚症状を抑える治療としてステロイド系の外用薬を塗布することで改善するようになります。
じんましん
何の前触れもなく、皮膚の一部に赤く盛り上がった発疹と強いかゆみがみられますが、発症して数時間~24時間が経過すると何事もなかったように消えてしまうのがじんましんです。その後も皮膚症状が現れたり消えたりを繰り返すことがあります。
発症の原因としては、アレルギー(食物、薬剤 等)であったり、物理的なもの(機械的な摩擦、日光、寒冷、温熱 等)であったり、発汗を促す刺激(入浴、運動 等)など特定しているケースもありますが、じんましんの患者様の7割程度は原因不明の特発性じんましんによるものです。
なお特発性じんましんでは、じんましんを発症し、皮膚症状が現れたり消えたりを繰り返して6週間未満で症状が消えた場合を急性じんましん、6週間以上続いている場合は慢性じんましんと診断されます。
治療について
原因が特定されていれば、誘因を除去するなどの環境づくり(アレルギーであれば、アレルゲンを避ける 等)に努めます。 また特発性じんましんの患者様では、抗ヒスタミンの内服薬による薬物療法を行います。
水虫
正式には足白癬と呼ばれる皮膚疾患です。これは、真菌(カビ)の一種である白癬菌が足裏などに感染し、発症している状態をいいます。 なお皮膚に白癬菌が付着してから感染まで24時間ほどの時間がかかるので、それまでに足を洗い流すことができれば感染予防につながります。
ただ足裏に小さな傷などがあれば、半分程度の時間で感染に至ることもあります。感染経路としては、足ふきマットの共用、不特定多数の人たちとのスリッパの共用等による白癬菌の付着、感染者との直接接触などが挙げられます。
一口に水虫(足白癬)といいましても主に3つのタイプ(趾間型、小水疱型、角化型)があり、趾間型と小水疱型は、高温多湿な時期に発症しやすくなります。それぞれの特徴は次の通りです。
趾間型は、足の指の間に発症し、紅斑や水疱がみられるほか、かゆみの症状も出ます。 かき壊すことで症状が悪化し、ただれることもあります。さらに水疱が破れるなどした後は、皮がポロポロ剥けることもあります。
また小水疱型は、土踏まずや足指の付け根あたり、足の側縁に小さな水疱や膿疱が多発します。これらが潰れると患部は乾燥し、皮膚がポロポロと剥がれ落ちるようになります。 3つ目の角化型は、非常にまれなタイプで、かかとを中心として足底に発症するもので、足底全体がカサカサしていきます(角質の肥厚化)。
痛みやかゆみなどはみられませんが、かかとでひび割れが起きると痛むようになります。
治療について
まずは足の周囲を清潔に努めるようにしてください。治療に関しては、抗真菌薬(外用薬)の塗布となりますが、角化型は塗り薬が浸透しにくいので、抗真菌薬の内服薬を使用していきます。
アトピー性皮膚炎
かゆみの強い湿疹を慢性的に繰り返している状態のことをアトピー性皮膚炎といいます。同疾患は乳幼児期に発症することが多く、アトピー素因(主にアレルギー体質であることや家族にアトピー性皮膚炎の罹患者がいる)があること、皮膚バリア機能の低下(ドライスキン 等)などが原因として挙げられます。
よくみられる症状に関してですが、年齢によって異なります。乳児の頃は、頭部や顔面を中心にかゆみのある赤くジクジクした湿疹が発症し、人によって体幹などにも見受けられるようになります。 1歳を過ぎるようになると、顔面や頭部の皮疹は減少、首の周囲、肘や膝の屈曲部にカサカサ乾燥した黒っぽい湿疹がみられるようになります。
これまでは成長するにしたがって症状が治まっていくといわれていましたが、現在は思春期以降、成人になっても症状が継続する患者様もよくみられます。この場合、主に顔面、頸部、肘や膝の裏側に皮疹が現れるようになりますが、湿疹が長期に及んでいるので皮膚症状というのは多様です。
治療について
現時点でアトピー性皮膚炎を完治させる治療法はありません。皮膚症状を抑える治療としては、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏等を使用します。 また強いかゆみの症状があれば、抗ヒスタミンの内服薬を用います。
このほか、スキンケアも欠かせません。保湿剤を使用するほか、皮膚を清潔に努めるなどしてください。また重症の患者様については、デュピルマブ等の生物学的製剤などを検討することもあります。
ニキビ
毛穴より発生する皮膚疾患で、正式な疾患名は尋常性ざ瘡といい、思春期から青年期の世代にみられやすいのが特徴です。 とくに思春期にみられるニキビというのは、第2次性徴に性ホルモンの分泌が活発になるなどしてアンドロゲン(男性ホルモンの一種、女性にも分泌している)が亢進し、それによって皮脂が過剰に分泌するようになることで発症します。
これによって毛穴に皮脂が溜まっていくと面皰(皮脂や角質などが混ざったもの)が形成され、皮膚に常在するアクネ菌がこれを養分にして増殖していき、炎症が起きるようにると赤いブツブツや膿の混ざったブツブツが現れるようになります。
これを一般的にニキビと呼びます。なおニキビを繰り返したり、適切な治療を行わなかったりすると、治療後も瘢痕として残り、クレーターのような肌がみられることがあります。これをニキビ痕といいます。
なお青春期のニキビは、不規則な生活習慣やストレス、ホルモンバランスの変化などいくつかの要因が組み合わさるなどして発生するものです。発症しやすい部位ですが、思春期は皮脂分泌が活発化しやすい、顔面や胸部、背中でみられやすく、青年期は頬やあご、口の周辺で起きやすいとされています。
治療について
炎症が起きている患部に抗菌薬の塗り薬を塗布します。また症状が強く出ている場合は、抗菌薬の内服薬も使用していきます。このほか日常的に必要なケアとして、洗顔は1日2回程度(洗いすぎない)、規則正しい生活を心がけるほか、化粧品や手で触る等、外的な刺激はできるだけ避けてください。
自由診療
イソトレチノ、インピアス穴あけ